この記事では映画『沈黙のパレード』の新倉留美は本当に並木佐織を殺害していないのか、また佐織が妊娠した子どもの父親についての考察をネタバレありで解説しています。
映画ガリレオシリーズ第三弾『沈黙のパレード』は登場人物がかなり多いです。その中でも事件の真実に大きく関わる人物が新倉留美です。
新倉留美と並木佐織の口論となった現場の証拠品や会話から事件の真相をネタバレありで考察していますので、映画視聴後に読み進める事を強く推奨します。
新倉留美は佐織を殺害した犯人ではない
結論から言うと新倉留美は並木佐織を殺害していません。
まずは現場の状況を整理してみましょう。
並木佐織と口論になった新倉留美はもつれ合いながら佐織を突き飛ばしてしまいます。建設資材に頭部を強く打ちつけられた佐織は意識を失ってしまいました。
その後、現場の様子を影から見ていた蓮沼寛一が意識を失っている佐織を車で連れ去るのですが、不幸にも意識を取り戻した佐織は蓮沼の身勝手な理由でトドメを刺されてしまう事になります。
新倉留美は自分が佐織を殺害してしまったと思い込んで現場を立ち去るのですが、佐織が身に付けていたバレッタがこの時に現場に落ちてしまいます。
このバレッタは重要な証拠品で佐織の血痕が付いていない事が鑑識の結果で分かります。つまり留美が突き飛ばして気を失っていた時点では佐織は頭部から出血していなかったので、まだ生きていたという事になります。
以上の事実から並木佐織を殺害した犯人は蓮沼寛一という事になるのです。
沈黙パレードで佐織の妊娠した子どもの父親は誰?
並木佐織が妊娠した子どもの父親は交際していた彼氏の高垣智也です。
映画『沈黙のパレード』の中で佐織は高垣と交際している事は妹の夏美にしか打ち明けていないという話をしていました。そうなると、この事実を知らなかった新倉留美が公園で佐織と口論になった理由に新しい可能性が生まれてきます。
つまり、留美が佐織の妊娠した子どもの父親が「新倉直紀なのでは?」と勘違いした可能性です。新倉留美と佐織が口論になった原因としては一応、筋は通っているように思います。
ですが、よく思い出してみてください。口論になる前のシーンで歌手デビューを辞めると言った佐織に留美は「高垣君に言われたのね?」と確認しているんですよね。
佐織は否定していますが、このやり取りから新倉留美は高垣との交際は知っていたと考えられます。
なので、妊娠した子どもの父親が高垣である事も知っているはずですから、新倉直樹の子どもと勘違いしたと言う線は残念ながらないと思われます。
新倉留美が佐織と口論した本当の理由
新倉留美が並木佐織と口論した本当の理由は佐織の音楽の才能に対する嫉妬です。
もう少し深く読み取ってみると、留美が感じていた嫉妬は単純に音楽に対する才能だけではなく、新倉直樹と佐織が音楽家として深い繋がりを持っていた事にまで及んでいるのではないかと考えています。
新倉直樹の佐織に対するプロの音楽家としてのデビューさせるという想いは相当なもので、妻である留美は誰よりもその想いを近くで感じていたはずです。
以上の事から恋愛感情による嫉妬ではなく留美自身もプロデビューを目指しながら挫折した一人の音楽家として、そして時間をかけて育ててきた直樹の努力を無駄にしようとする佐織の行動が許せなかったという事なんでしょうね。
まとめ
ここまで映画『沈黙のパレード』の留美が佐織を殺害していない根拠や口論の本当の理由について考察してきました。
新倉留美は並木佐織の殺害の犯人ではありませんでしたが、自分が隠している真実や複雑な心情の動きから真犯人を演出しているという側面もあるのだと思います。
特に映画の後半は新事実やそれぞれの登場人物の心情が細かく描かれているので、見ている方も思わず感情移入してしまいますね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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